~食べログ百名店にも選出される有名店
サラリーマンを癒してくれるとんかつ食堂~
オーナー 中村文造さん | あめ 交通会館に勤務。 一年中クールビズ。 ファミリーセール情報をいち早くゲットしている。 |
あめ:
交通会館創業当時からのご出店でしたよね?
中村:
うんと確か、すし屋横丁にあった店舗から、交通会館開業後そのまま入居したのではなく、当時親父もいろいろ考えがあったみたいで。交通会館開業1年半後くらいに入居させていただいたんじゃなかったかな。
あめ:
そうだったんですね。お父様からいろいろと教わりながら経験して今の繁盛店を継続されている感じでしょうか。技術習得までのご苦労などお聞かせください。
中村:
親父は教えるタイプではありません。見て覚えろという人間でしたので、すべて父の見よう見まねからはじまり、失敗を繰り返しながら経験を積み重ねてきました。
自分のまかないをつくることからはじめて、それから休憩時間に試作品をいっぱい作って、たくさん失敗して失敗して、そして、またたくさん作ると、なんとなくわかってくる感覚があって、でもただ漠然とつくるだけじゃダメなんだよね。いつも考えないとダメで。
あめ:
いい意味で昭和世代ですね!
とんかつあけぼのこだわりの技術や商品サービスについても教えてください。
中村:
なんだろう。父からの代からお取引していたパン粉の仕入業者さんが倒産してしまってね、今の業者さんに依頼をするのをきっかけにオリジナルパン粉を一緒に研究し、現状は満足いくパン粉を使ってる。そういうのかな。
あめ:
へえ。そんなに違うんですかね。
中村:
粒の大きさや揚げた時の色目とか、切った時にサクサクいい音するけど、口ざわりは悪いとか、いろいろあるよ。糖分の配分なんだけどね。自分で満足のいく形で、なおかつ、油はラードで揚げているから、いい訳ができないよね(笑)。
油の状態(利用頻度等)によっても温度や揚げ時間を日々調整してるよ。
あめ:
なるほど。メニューについてはどうですか。昔から変えてないですか?
中村:
3.11東日本大震災のあと、ガクッと客足売上ともに激減したときがあって、その時はどうしようと。新メニューを考えた時期がありました。今までやってないことやろうとしたりもして。でも悩んだ結果今まで通りで行こうと決めました。無理しても続かないし。今も昔も変わりなく、定番メニューだけです。
ただ、サービスメニューということで、2、3種類の揚げ物をまとめて召し上がれる定食も作りました。カップルでそれぞれ違うサービスメニューを選んで6種類食べ比べする方もいらっしゃいますよ。
あめ:
それいいですね!嬉しい。お客様とのコミュニケーションも良くとられてらっしゃいますよね。
中村:
僕ね、昔無口だったの(笑)
あめ:
・・(笑)
中村:
ほんとに。とはいえ、先程のメニューの話の延長線上でお客様に媚びるようなことはしたくない。でも長く営業を続けるには、食べていただいた方には気に入ってもらいたいと。
あめ:
それはそうですよね。
中村:
さっきも言ったけど、親父のいいところは真似て、そこから自分でもいろいろ工夫をしてきたの。で、親父がメインで働いているときは、親父と話したくてお店にくるお客さんがいて、俺もそういうのいいなあって。俺には細かくしゃべって教えてくれることはないけど、お客様には、ただ作って料理を出せばいいだけじゃないんだと。
あめ:
うんうん。
中村:
ただ、その当時は、そういうの判んなかったし、親父がいるときは、かっこつけて喋らなかったから、いざ自分がコミュニケーションをとろう!と思ったら、どういう風に話しかけていいかわからなくなっちゃって。こりゃまずいと。
あめ:
どうされたんですか?
中村:
お客様の様子や好みなどを理解しようと、五感をフルに活かして、お客様がどう感じているかを常に気にかけ、こころがけたところ、少しずつ自然と会話できるようになったと思う。調理人でもありホストでもあるという気持ちを持ってますね。
あめ:
常にそういう心構えで向き合ってらっしゃることが素晴らしいですね。
実は今回こだわり職人の技を体験するという企画なのでぜひ何か体験させていただきたいのですが、、。
中村:
あ・いいよ!ここから入って!
あめ:
有難うございます!
あめ:
これからのお店について想いをお聞かせください。
中村:
このとんかつあけぼので、骨をうずめる覚悟です。お陰様で今は繁盛していますが、この状態を10年20年と継続できるかどうか体力的には自分次第なところもありますし、将来的には自分の時間を少しつくりながら楽しく続けていきたいですね。