東京交通会館「B1F」麺めぐり
東京交通会館が開業したのは昭和40年。その「昭和っぽさ」を色濃く体験できるフロアが実は「B1F」なんです。見事なタイル張りの壁面に彩られた階段を降りると、そこに広がるのはどこか昭和の空気感。新宿ゴールデン街をほうふつとさせる不思議な空気に包まれながら、迷い込んだ“横町”のあちらこちらに潜む名店の数々…。今回は、戦後の有楽町に生まれた「すし屋横町」の名残を残す老舗から、昨年オープンしたばかりのニューカマーまで、「麺」の名店4店をめぐります!
甘味処「おかめ」の夫婦店とし約10年前(2004年)にオープンした「麺屋ひょっとこ」は和風仕立てのさっぱり柚子柳麺が評判の店。鰹の1番出汁と昆布等をふんだんに使った奥深くもさっぱりとした和風仕立てのスープに、ノンフライの細打ち玉子麺、こだわりの大ぶりチャーシューなど、あっさりしているのに胃に程よく満足感のあるラーメンは1度食べるとちょっとヤミツキになる。男女共にリピーターの多くが注文するという1番人気の「柚子柳麺」を含めて麺メニューは全4種類。トッピングの追加も可能だ。お腹に余裕のある人はぜひサイドメニュー(「おかめ」仕込み)の茶飯もお試しあれ。 *+160円で大盛り可 |
戦後(昭和25年)有楽町駅前の「すし屋横町」に創業。東京交通会館が開業した昭和40年に現在の店に移転し、通算はや63年の歴史を誇る長崎チャンポンの隠れた名店「桃園」。当店大将・野島健ニさんが先代と長崎中のチャンポンを食べ歩いて編み出したというオリジナルの味は、何世代にもわたって通うリピーターも多いという。1番人気の「チャンポン」はとんこつベースのスープは程よいコク。北海道の小麦を使ったオリジナルの中華麺はうどんのようなコシがあり、上には胡麻油でさっと炒めた季節の野菜がたっぷり。野菜の他にも、自家製の肉だんご、鶏の唐揚げ、炒めた鶏肉、あさり等ものせて、とにかく具たくさんで食べごたえの満足感も◎だ。その他、炒めビーフン、汁ビーフン、皿うどんなど計6種のメニューが味わえる。*プラス100円で大盛り可 |
※2016年12月で閉店しました
九州・博多名物といえば「らーめん」を思い浮かべがち。だけど地元でもっと愛されているローカルフードって実は「うどん」なのです。今年の春でオープン1周年という「よかよか」は、そんな知られざる博多のソウルフードに出会える店。讃岐の強いコシに慣れた舌にはちょっと驚くほどふんわりやわらかい麺の独特の食感は、一度食べると不思議とクセになるやさしい味わいが特徴。博多流にちょっぴり甘めのスープはあとを引くおいしさで、大きな麺鉢で登場するもあっという間に完食。博多おでん、鶏メンチカツ、焼きさば、かしわめし等々のサイドメニューや、セルフで選べるドリンク(酒屋監修の酒類)も充実していて、夜は立ち飲みのバルの感覚で楽しむこともできる。飲みの〆はもちろんうどんで! |
※2022年2月末で閉店しました。
創業昭和41年のそば処「満留賀」は、「桃園」同様、東京交通会館の歴史とほぼ同じ年月を刻んできた隠れた名店のひとつ。毎朝と昼の2度に分けて会館の地下4階にある仕込み場で打つという蕎麦は「7割」にこだわるというご主人の稲垣さん。コシが弱過ぎず強過ぎず、食べた時の食感やのどごしのバランスがとにかく“ほど良い”のが特徴だ。これからの季節はやはり盛りやせいろが人気で、定番の「鴨せいろ」もいいけれど、さっぱりめの「とりせいろ」もおすすめ。その他、揚げ餅をのせた「力そば」は夏場でも意外と定番人気を誇る1品なのだとか。「蕎麦は打ってから2~3時間くらいが食べ頃なんだよ」と稲垣さん。おいしいお蕎麦にありつきたい時は、その時間が狙い目! |
※2020年5月31日に閉店いたしました。